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農畜産委員会主催(2020年4月4日)
地産地消、食育、有機農業推進を三つの柱とした今治市のまちづくり政策に長年取り組んでこられ、3月末で今治市役所を定年退職された安井孝さん(ゆうき生協監事)のお話会には、阿部えつこさん(自校式の安心手作り給食を求めたお母さんたちの市民運動の)も参加してくださって、少人数でしたが、中身の濃い会となりました。(窓という窓を開け放ち、換気を徹底、マスク着用で行いました。)
どうしたら健全な食べ物や農業についてもっと関心を持ってもらい、人々の意識を変革できるのか、そう考えるとき、やっぱり学校給食の力は大きいと思います。地産地消や有機の食べ物は、地に足をつけて食、健康、命、自然、農業や地域社会について学ぶことのできる豊かな教材です。地産地消の学校給食、学校での有機野菜栽培など、子供たちの食育を通して親へと、地域へと意識変革が浸透していく可能性。学校給食に地産地消の安全な食材を用いることから、今治産特別栽培米の促進、今治産小麦から地元でのパンの製造へ、今治産大豆から地元の豆腐へ、農業、加工業、直売所、飲食店、ツーリズム、福祉施設の食事、家庭の食事へと変革が進んでいく。今治市では、有機農業、市民運動、行政のまちづくり政策が揃って、夢のようなことが実現しました。ゆうき生協を創立し支えてこられた方々のご活躍が光ります。
自校式の安心手作り給食を求めたお母さんたちの運動によって、調理場が小規模分散したことで、給食への地元農産物、有機農産物の導入が可能になりました。有機農業者もこの運動を後押しし、立花地区の小学校では有機農産物の導入が進みました。安井さんは、お母さんたちの市民運動からバトンを受け取り、市の職員として、地産地消、食育、有機農業推進に尽力されました。市町村の職員は、人々が出会う場を作り、様々な立場の人と人をつなぐコーディネーター。縦割り行政ではなく、様々なセクションを横断的にネットワーク化することが大切とのこと。学校、PTA、生産者、農協、市のあいだで地道に積み上げられた対話と相互理解、既得権を背景とした関係者との粘り強い交渉などなど、教えられるところ大でした。
60年代と比べて、野菜の栄養価が半減しているという衝撃のデータ。要するにミネラル不足。野菜にミネラルを届けるのは、土の中の微生物。農薬と化学肥料の使用によって土の中の微生物が減少しているのです。
有機米、有機農産物を給食に導入しようとするときのハードルの高さや課題も見えてきました。量が揃わない、規格が揃わない。
今治市の学校給食では今治産特別栽培米を使用しています。特別栽培米は、農薬と化学肥料の使用を慣行農業の半分以下に抑えていますが、ネオニコチノイド系農薬を使用しています。ネオニコチノイド系農薬の使用禁止が、これから取り組みたいことだと、安井さんも話しておられました。